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柔らかな唇の感触に、
強張った私の身体が、
一気に解けていく。
包むように唇を吸われ、
頭の中がとろけ、
真っ白になった。
わたしも応えるように、
ぎこちなく吸いかえすと、
さらに優しく、先生の唇が
わたしの唇を覆う。
角度を変え、もう一度
甘くキスを交わしてから、
ゆっくりと先生が顔を離した。
さっきよりも近い距離で、
わたしの赤く腫れた目元に
指を触れる。
「何があったの。
話してごらん、椎名」
怖くなるほど深い、
先生の瞳をじっと見返す。
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