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「ホントに飲み物だけでいいの?」
「はい。ちゃんと自分の分は
払いますから」
わたしたちが通されたのは、
通りに面した窓際の席だった。
学校の誰かに
見られたくはなかったけれど、
あいにく満席だったので、
仕方なくわたしは通りに背を向け、
奥の席に着いた。
ホットコーヒーとミルクティーが
一つずつ運ばれてくると、
白井さんは書類鞄を
ガサガサと探った。
「早速だけどこれ、
ちょっと読んでみて」
差し出されたのは、数枚の
新聞記事のコピーだった。
孫コピーなのか、
文字がガタガタと歪んで
少し読みにくい。
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