-1-

4/24
前へ
/40ページ
次へ
***** 「ホントに飲み物だけでいいの?」 「はい。ちゃんと自分の分は 払いますから」 わたしたちが通されたのは、 通りに面した窓際の席だった。 学校の誰かに 見られたくはなかったけれど、 あいにく満席だったので、 仕方なくわたしは通りに背を向け、 奥の席に着いた。 ホットコーヒーとミルクティーが 一つずつ運ばれてくると、 白井さんは書類鞄を ガサガサと探った。 「早速だけどこれ、 ちょっと読んでみて」 差し出されたのは、数枚の 新聞記事のコピーだった。 孫コピーなのか、 文字がガタガタと歪んで 少し読みにくい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

421人が本棚に入れています
本棚に追加