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「先生…」
わたしは掠れた声で言った。
「先生は、わたしのこと、……
もう、いらなくなっちゃったの……?」
瞬きして熱い涙が零れると、
ぼやけていた先生の顔が
わたしの目にはっきりと映った。
先生は、驚いたように
目を見開いていた。
「どういう、意味……?」
わたしが何を考えているか、
読み取ろうとする目。
流れ落ちる涙が、
赤く腫れたわたしの目の周りを
ひりひりと刺激する。
「先生が、……わたしのこと、
いらないって思っても……。
わたしはそれでも、
……先生の傍にいたいよ……」
詰まりそうになる喉を必死で
押し広げ、言葉を繋ぐ。
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