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「先生、月子の送り迎え、
もう必要なくなるわけだし、
やめたらどうです?
萌ちゃんをこんなに泣かせちゃ、
可哀相ですよ」
わたしは目を見開いて、
眼力で白井さんの言葉を
必死で制しようとした。
――お願いだから、
余計なこと、
言わないで…っ。
「こんなに可愛い女の子を
目が腫れるまで泣かせるなんて、
男として最低だと思うなあ」
先生は、黙って
白井さんを見返していた。
「じゃ、そろそろ、失礼します。
もう学校の周りを
ウロウロするようなことは
しないんで、安心してください」
そしてテーブルの上の
伝票を取り、立ち上がった。
「すいませんね、先生。
お手数かけちゃいまして。
…あ、萌ちゃん」
わたしは恐る恐る顔を上げた。
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