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「そんなわけ、ないだろ。 ……嘘だよ」 「でも……」 「でも、なに?」 「……」 わたしは口をつぐんだ。 ――尾行のことは、言えない……。 この目で見たことを話したくても、 先生の後を尾けたことや、 白井さんの車に簡単に 乗ってしまった話は出来ない。 「そんなことで、 こんな顔になるまで泣いたの?」 ちら、と見上げると、 先生の顔には苛立ちが滲んでいた。 嘘をついているようには、 とても見えない。
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