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わたしの息が乱れ、
その息に紛れ、微かに声が洩れ始める。
先生の舌が走った部分が湿り、
ひやりと温度を奪われ、
わたしは微かに震えた。
膝から崩れ落ちそうになって、
ガクッと壁にもたれると、
先生が背中に手を回し、
わたしの身体をぐっと抱き寄せた。
「…せんせ…」
うわ言のように呟くと、
先生がわたしの耳たぶを
軽く噛んだ。
「…まだ、分からない…?」
先生の声が耳をくすぐるだけで、
体の内側がぞくりと疼く。
背中の手が、背骨に沿って
なぞり上げるように動いて、
わたしは身体をぴくりと反らせた。
「…ん……。まだ…。
わかんない…。先生…」
わたしは先生の首に腕を回し、
自分から唇を重ねた。
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