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「本当に……行くのか?」
鏡写しの僕がそう問いかけてきた。
あまりにも瓜二つの顔に、まるで僕がもう一人いるような錯覚に陥ってしまいそうだ。
ギュッと冷たくなった拳を強く握る。
でも、違う。
あまりにも似ているからこそ、決定的に違う所が浮き彫りになっている。
そして、それは僕の欠陥でしかない。
でも、僕は……
「うん。決めたから」
僕の言葉に、困ったように眉を下げる表情は、自分と瓜二つのはずなに全然違う。
ポンポンと、僕は僕のような君の頭を叩いた。
「このために僕は、頑張ったんだ。陸斗と美琴さんに沢山迷惑かけて……」
「でもやっぱり心配なんだよ…宙が、俺の目の届かない所に行くなんて……それもアイツらの巣みたいなとこ……」
「大丈夫だよ。僕には陸斗みたいな強さは無いけど、頭の良さなら誰にも負けないから」
そう言うと、君は顔を真っ赤にさせて「俺の事バカにしてるんだろ!」って言うけど……
むしろ僕は君の事を尊敬している。
元気で明るくて何でもできる
そんな君とは正反対の僕には、唯一勉強という特技しかなった。
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