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「お前、まわりの人間が、
どれだけお前のこと
大切に思ってるか、
考えたことある?」
「……」
「家族はもちろん、
友達だって、そうだよ。
お前がヘンな男と
ファミレスにいるって、
俺に知らせに来たの、
誰だと思う?」
わたしは顔を上げた。
「泣き腫らした目で
学校に来てるお前の
様子がおかしいって、
ちょうど二人で話してた時に、
この前を通りがかって
お前を見つけたんだってさ。
椎名が危ないって、
切羽詰まって、すごい勢いで
職員室に飛び込んで来たよ。
……後ろ、見てみ」
わたしが振り返ると、
駐輪場の陰に
大きな人影と小さな人影が
さっと隠れた。
彩加と、田辺くん……。
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