彼らの語られなかった物語と生きた証を語ろう

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「ご馳走さまでした!」 「……ロイって礼儀正しいんだね」 ロイとラウラが出逢った最初の日。 2人はようやく決めた食事処〈カルトル〉で、昼食を食べた。 ちなみに、ラウラはカルボナーラ、ロイはカレーだった。 「ん? 意外だったか?」 「いや、むしろ想像通りだったよ。……私も、ご馳走さま」 「なんか、ラウラには全部見透かされてる気がするなぁ……」 「……ロイが分かりやすいだけだよ」 「そうなのか?」 そんなことより、とラウラは一呼吸を置く。 食器をなるべくまとめて片付けながら、ラウラはまた話し始めた。 「ロイは、このあとどうするの? ……私は、ご飯のものを買いに行こうかと思ってるんだけど……」 「……そっか、食べ物も買っておかなきゃいけなかったんだ……」 ロイはふとそこで、部屋にある箱に入ったままの荷物を思い出した。 (……とりあえず、夜と明日の朝の分だけ買ってくか) 「んじゃあ、俺も一緒に買い物に行くよ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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