彼らの語られなかった物語と生きた証を語ろう

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「本がいっぱいだな。こんなに置いてあんの初めて見た」 「私もだよ。……どのくらいあるんだろうね」 ラウラはその本屋を、じっと見ていた。 「……なぁ、ラウラ」 少し分かりにくいが、目を輝かせて。 「……なに?」 「行ってみるか?」 バッと振り向いたラウラ。目を見開き、心底驚いたような顔をしている。 「えっ? で、でも、買ったものもあるし……」 「別にいいぞ? それに、俺もラウラの本借りて読む予定だし」 「……やっぱり自分で買わないんだね。うん……じゃあ、行ってみるかな。……人の厚意はありがたく受け取っておけ、だもんね」 ラウラは微笑を残して、早速本屋へと向かった。 ロイはしばらく突っ立っていたが、 (あいつ……もっと笑えばいいのになぁ。……今度笑わせてみようかな) すぐにラウラの後を追い掛けた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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