ままにならぬが浮世の常

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――― 行きたいわけないだろう! 人目がなければそう言ってやれるのに。 「あっごめんなさい。今日は相田先輩と一緒だから」 私がそう言うと、彼女は驚いたように目を見開いて、大げさに両手を振った。 「えっ、いいのに!彼氏に誘われたらそっち優先なのは当然でしょ?」 「じゃあ、良かったら相田さんも一緒に。彼女、まだ恥ずかしいみたいだから」 「いいですよ、私に気を使わないで。お二人で行ってきて?」 何やら私は恥ずかしがり屋の初々しい恋人という設定のようだ。 いつもの猫かぶりにオプションがついてしまった。 そして。 「もうー。春妃ちゃんもいつまでも恥ずかしがってちゃデートもできないでしょ?」 ばしん、と先輩に肩を叩かれ。 めんどくさい、ひじょーにめんどくさい!
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