ままにならぬが浮世の常

7/22
前へ
/26ページ
次へ
大体この男に対して恥じらいとか。 無いから。 「でも」 と、一応往生際悪く躊躇ってみるが。 この流れならもう、間宮と一緒にランチに行くほうが自然だろう。 「私のことは気にしなくていいの!」 あぁ…憩いの時間が。 ……返せバカ! 「じゃ。昼に」と言って、間宮は去り際に、私にだけ見える角度の一瞬。 さも、可笑しそうに笑った。 意地悪いその表情に、カチンときてうっかり顔を顰めかけて、とどまる。 私を誘う、意味がわからないんですが。 気づかれないように、私はそっと溜息を落とした。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12966人が本棚に入れています
本棚に追加