ままにならぬが浮世の常

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2階席、一面のガラス窓。 ハンバーガーを齧りながら、窓の外を見る。 窓の下には遊歩道。 行き来する人混みの中に、1人、私達の会社の方へ向かうスーツ姿を見つけてしまった。 隣に居た間宮も、気がついたようで。 「あ。課長」 間宮が課長と呼ぶのは、企画営業の矢野課長で。 意味ありげに、こちらを見るのは止めて欲しい。 ハンバーガーを咀嚼しながら、唇の端に感じる多分ケチャップを親指で拭い、矢野さんを目で追った。 「今週末、また。飲みに行こうって言われてるけど。行く?」
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