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肩を揺らして笑いを堪える男が腹立たしく、殺気込の視線を投げた。
うるさいな、見てくればっかり整えたってダメなんだってことくらい、ほんとはわかってる。
でもそれって、綺麗事だ。
「ナゲット食う?」
「ん」
ごまかす度にナゲット推しの間宮が、箱を開いてこちらに向ける。
手を伸ばすと、一つ取ってソースの中に半分埋めた。
ガラスの向こうを眺めながら、無言でナゲットを齧る。
視線の先はお互い全く別方向。
当然見つめ合うでもなく、相手のことは眼中にない
私には、間宮じゃない好きな人がいてその人には私じゃない好きな人がいる。
それが現実の私達。
なのに、付き合ってるなんて噂になったのは、今からひと月程前だった。
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