ままにならぬが浮世の常

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――― うさんくさ。 さらりと言ってのける、間宮が頬杖をついてこちらを見ていた。 その笑顔が、無理。 こういう如何にも仕事も女も熟れてます、な男は大嫌いだ。 「何の話?」 良いタイミングで戻ってきた相田先輩が、楽しそうね、と首を傾げた。 「先輩ー!次は何飲みますか?今日はお二人のお祝いですよ!私、モスコミュールおかわりします」 これ幸いと話を逸らし、ドリンクメニューを相田先輩に差し出した。 今日はとことん飲んでやる! じゃなきゃ、やってられるかってーの。 幸せそうに寄り添ってメニューを覗き込む二人に、私は無理矢理口角を上げた。
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