ままにならぬが浮世の常

4/22
前へ
/26ページ
次へ
「あ。間宮さん出勤してきたよ」 遠目なのに、よく見つけたなっていうくらい 先輩が私を見て、意味有り気に微笑んだ。 そしてまた、先輩がわざわざ名指しで声かけてくれちゃうもんだから、ヤツも少し歩くテンポを緩めてしまう。 「間宮さん、おはようございます」 「おはようございます、相田さん」 先輩が気づかなきゃ その他大勢の括りで会釈して終了だったのに。 こうなると、もう避けようがない。 間宮も心得てか私の方へ視線を向けた。 一応、私達は『付き合っている』らしいので。 「おはようございます、間宮さん」 先ほどまでとは違う、少しはにかむような笑顔にシフトチェンジ。 首をかしげて、可愛さアピール。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12966人が本棚に入れています
本棚に追加