ままにならぬが浮世の常

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――― そのまま、通過しろー。 さりげなく! ってそう念じたのに。 ふわりと、やわらかな微笑みを湛えて こちらへ歩み寄る。 受付カウンターを挟んで、私の正面に立つと コツン、とカウンター上を指でノックした。 近すぎず、遠すぎない。 絶妙な距離まで顔を寄せる。 周囲から仲睦まじく けれどもオフィスだから我慢してる そう見られる『絶妙な距離』 「今日、俺午前中内勤するんだけど。昼行ける?」
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