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「あの……私をからかってるんですか?」
私は、この訳の分からない状況にかなり戸惑っていた。
それなのに彼ときたら、
「答えは、イイエです」
なんて、落ち着き払った声でそう答える。
だけど、それならそれで尚更意味が分からない。
兎に角帰らなくちゃ。
「あの私、失礼します」
私はそう言うと、ようやく彼の腕からクルリと抜け出し玄関に向かって歩き始めた。
「それはダメだよ」
すぐ後ろで声がした。
次の瞬間、彼が私を背中から抱き締めていた。
「……」
私は驚いて、キュッと身を縮めた。
硬く縮んだ体が、動けないと信号を送る。
「せっかく企んだのに、君が帰ってしまっては台無しですよ。夏井愛菜(マナ)さん」
……え?
私を抱き締める彼からは、悪意や危険は感じない。
むしろ優しい感じすらする。
でも……なんで彼がこんなことを?

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