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女性は少年の隣に座った
「どうしたの?」
女性は少年の傷だらけの醜い姿を心配して 少年に聞いてみた
少年は掠れた声で言った
「みんなが僕をいじめるんだ……
僕はこの世界に必要ないんだって
お母さんもお父さんも助けてくれないし
先生も僕のことを無視するんだ
僕は要らない存在なんだ、この世界にとって僕は不必要な存在なんだ
だから死のうとしたんだけど、死ぬのが怖くて死ねないんだ
僕は弱虫なんだ」
少年は笑った 枯れた声で 虚ろな目で女性を見た
「君は弱虫なんだ?」
「うん、だってみんなが言ってるから」
「君は不必要なんだ?」
「うん、だってみんなが言ってるから」
「君は死んだら良いと思ってるの?」
「うん、だってみんなが言ってるから」
少年はしばらく笑っていた
枯れた声で
「私は死んでも意味ないと思うけどな?」
「どうして?
僕が死んだら、きっとみんな喜んでくれるよ
世界中のみんなが喜んでくれるよ」
「だって死んだら君が産まれてきた『意味』がないよ?
世界が君を不必要としてるなら君は、きっと産まれてすら居ないと思うな?」
少年は笑うのを止めた
周辺の積もり雪はキラキラと光沢を輝かせながら溶けていた
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