学生

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「えー、先程紹介に……」 葉風君が発見しようとした瞬間 「すいません遅刻しました!」 と開いたドアに声は遮られた。 遮った者は 「こらオースティン!また寝坊か?」 「は、はい…ってあれ?何やってるのお兄ちゃん。」 ウタちゃんだった。 途中で葉風君に気づいたのか説教中に言う。 そして騒ぐクラスメイトたち 「『お兄ちゃん』!?嘘!?マジで!?」 「いや、でも似てねえぞ!?」 「でも確かに今『お兄ちゃん』って…」 騒ぐクラスに校長は辟易しながら、ウタちゃんに言う 「あー、これから説明するから、今日はもういい、このまま席に着け。」 ウタちゃんは何がなんだがわからない顔で席に着いた。 ちなみに、私の席の左隣がウタちゃんで後ろがレオ。 こほんっと一旦仕切り直しをするように咳をして葉風君が言い直した。 「えー、先程紹介に上がった葉風透です。一週間だけになりますが、皆さんと仲良くやれたらな、と思います。担当教科は総合、よろしく。」 パチパチパチパチパチ 分かってないのは「えっ?えっ?」 と首を振り回してみんなを見ているウタちゃんだけだ。 葉風君の紹介ぎ終わってみんなが拍手する。 「えー、それでは、今日のこの時間は質問タイムにしたいと思います。何か聞きたいこととかある人。」 バッと間髪入れずに手が上がった。 ほぼ全員の。 「うわあ…すげえ光景。」 と言ったのは手を上げなかった一人のレオ。 前の方を見ると葉風君の方も壇上からよく見える分、この光景にタジタジになっている。
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