学生

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(あー、そもそもレオには教えていたのに私に教えてくれなかった。ていうのも悪いのよ!) 自分には知らせていなかった、というのが苛立ち(?)の元なのだ。 しかしなぜそんなことでまた、自分がこんなにも心乱されるのかわからず悶々とするのを繰り返す。 やがて負のスパイラルに陥るが結局は全部 「葉風君が悪い!」 「いいえ、悪いのは君です。」 突然聞こえたタナカ先生の声に正気に戻された。 見渡してみると私の方向をクスクスと見ている人、そしてなぜか悔しそうにして見ている人がいっぱい。 「……えっ。」 「やっぱり…」「できてるのね!?」「やだ!教師と生徒とか、禁断~」「憎しみであの教師を殺せたら!」 えっ?ちょっと何この状況。 「どうぞ?続けて構いませんよ、アクアリウムさん。それで、先生の授業中、ずっとブツブツ独り言を唱えながら考えていたことは葉風先生のことでしたか?先生も授業よりそちらの方が是非気になりますね。」 タナカ先生の感情を抑えるような声に冷や汗が流れる。 うっ、なんか嫌味言われてる? よく見るとタナカ先生の額にビキリっと血管が浮き出ている。 「す、すいません…。」 「いえいえ、ここは是非アクアリウムさんの心情をぽろっと聞いて見ましょう。その方がスッキリして授業にもやる気が出るのでは?」 も、もう勘弁してください…。 結局授業は続けられたが、その後もネチネチと虐められた。 魔学は苦手じゃないが、タナカ先生は苦手になりそうだった。
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