学生

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これだけの広さ、もちろん学び舎だけでなく他の施設も多々あった。 球場、テニスコート、200メートルトラック およそ一般の学校に置かれてる施設はそれぞれが複数あって場所を位置取っていた。 つまり、球場ならば複数の球場が一つの区画を占めている。 テニスコートならばおよそ百個ぐらいあるコートがひとつの区画を占めている。 そんなかんじだ。 もちろん、他にも様々ある。 レストラン区画、遊具区画、娯楽区画などなど… これら全部、管理も維持も全て教師と生徒だけでされているらしい。 「本当にひとつの都市だな。」 今俺はその中の一つ、礼拝堂区画にいる。 ここには宗教の数だけ様々な礼拝堂がある。 西洋風のバロック様式の礼拝堂があれば、 神社や寺までもここにある。 (こんなごっちゃにされてて、神様は喧嘩したりしないのかね。) 『人間に喧嘩するなとか言っておいて神様が喧嘩するわけにはいかないだろう?』 突然、頭の中に声が入ってきた。 「なに!?」 後ろや横を見ても誰もいない。 当然だ、今はどこも授業中なのだから。 飲食店も礼拝の執り行いも全て生徒や教師がやっている。 故にどこも今は施錠されて人の声などしないはずだった。 『こっちだよこっち。そのまま真っ直ぐ進んだ神社に……』 声が途切れた。 いったいなんだ?あの頭の中に鳴り響くような声は、 随分と爽やかでかっこよさそうな男の声だった。
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