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「へえー、便利じゃないか!これがあればケツが痛くなることもなくなるな。」
馬番の主人はよろんでいた。
しかし、
「けっ、そんなもんなくても馬をあやつるのは俺たちなんだから、いらねぇよ。」
と、新しい物を拒否する者がいた。
いつも馬に乗り馬車を操縦する騎手だ。
「大体、そう言うそこの若いのは馬に乗れんのか?」
ほう、
「その言葉、この竹取高校馬術部部長葉風 透を試していると見た。」
内の馬術部は馬に関することは全て自分でやる、ってのがモットーだ。鐙の作り方だってその関連で学んだ。
というわけで、馬で勝負することになった。
方法は簡単、短距離走乗馬バージョンだ。
およそ百メートルを馬で駆け抜け、どっちが速いか。
「「いざ、尋常に勝負!」」
まあ、終わった時に相手の人が馬から落ちて愕然としていたことから勝敗は想像してください。
思えばこれがきっかけだった。
「ふむ?これはひょっとして、俺が色々とこの世界に文化を浸透させていけばいいんじゃないか?」
そうすれば色々と楽しめそうだし。
この事がこの先、大きな争いの元になることも知らずに。
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