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数日後
「それじゃあクーちゃん、ママはちょっと出かけるけどマリノアお姉ちゃんの言うこと、ちゃんと聞くのよ。」
「ま~ま」
相変わらず頭の良い子で、こちらの言葉がわかるように頷いている。
「うん、この子の顔を見るだけで今日一日頑張れそう。」
それから私は準備をしてギルドを出た。
「お待たせ、レオ」
「いや、全然!今来たばっかり。」
今日、噂の話屋が来るという話があり、なんだったら行ってこよう、ということになりレオと行くことになった。
「でも残念ね。こんな日にウタちゃんがいないなんて。」
『あら?ウタちゃんは行かないの?』
『うん!その日に丁度依頼が入っちゃっててさ~』
そう言ったウタちゃんの顔は満面の笑みである。
『うん!欲しかった魔道書が手に入ったの!』
『えっ!?でも、確か高価だから、今月は諦めて来月買うって言ってなかった?』
『うん!大丈夫!私のお金じゃないから!』
何故かレオが懐の財布を寂しそうにいじっていたのが印象に残っている。
「結局ウタちゃん、誰が買ってくれたのか教えてくれなかったわね。」
「そっ、そうだな………くそう、懐が一気に寒くなったぜ。」
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