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「そういや、最近、あのガキはどうしてんだ?」
何か焦ったようにレオは話題を変えた。
「あのガキ、なんていう子供は私にはいませーん。私にいるのはクーちゃんという可愛い可愛い息子です。」
「あー、まあ、そう。そのクーちゃんだよ。子育てで大変なこととかあるか?」
「うーん…」
私は返す言葉を少しの間失った。
「なんだ?やっぱりなんかあんのか?」
「ううん、違う、むしろ逆、ぜーんぜん手がかからないのよ。」
「へえ、よかったじゃねえか。」
「うん、それはいいんだけど。なんか手がかからなすぎ、ていうか。とっても利口なのよね。」
うん
「なんか、まるでこっちの言うことがわかっているみたいなの。」
「はっ?いやー、さすがにあんな小さくちゃあ、まだ言葉なんてわかんないだろう」
「うん…まあ、私もそう思うんだけど。」
しかし、あの子は時々妙に大人しい。
私が覚悟していた面倒ごとは全然なかった。
「んー、まあ、ただあの子がいい子なだけよね。」
うん、この件は忘れよう。
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