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side透
さて、ちなみになんで俺が話屋などやっているかというと、数週間前に遡る。
その日、ティアママ(ティアさんのこと)が急に入ってきた仕事のせいで遠出することになった。
当然俺は変身して街に繰り出したのさ。
ちょっと遠いところにいこうとして、俺は少し歩いていた。
丁度そこで噴水広場に到着したんだ。
広い場所で、多くの人が通り過ぎる場所だった。
ここで休憩しようと思い、噴水のヘリの部分に腰掛けて人々を眺めていた。
しばらく眺めていたが、多くの子供達がこの辺りで遊んでいたのに気づいた。
「よーし、お前が鬼な!」
「みんな逃げろー!」
みんな元気良く外で遊ぶとか…現代日本もちょっと見習うべきだよなあ。
うむ、健康的でいい。
俺が子供の時は………今が子供時代だよ。
しかし、よく見ると全員が仲良く遊んでいたわけではないらしい。
「……………」
一人で羨ましそうにみんなの遊びを見ている子がいた。
見るからに病弱そうで、ひょっとしたらあの遊びに参加できないのかもしれない。
羨ましそうに見ながら彼はつぶやいた。
「いいなぁ…」
「君はできないの?」
「えっ!?」
隣を見たら俺がいてびっくりしたのかもしれない。
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