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「でもまあ、レオも馬鹿なことしてるよね。一般人相手に決闘なんて。」
「本当に、全く…どうしてこうなったのかしら。」
↑原因
「…えーっとぉ、ティア姉ってさ…そのお、あのお…」
?いつも快活なウタちゃんが言いにくそうにしている。
しかも顔を紅く染めながらもじもじしている。
えっ?なに?襲って欲しいの?
「あの葉風、という男と交際しているのかい?それとも馬鹿なのかい?と聞きたいんだと思うよ?」
「ち、違う!…半分」
苦笑を浮かべたスカル君を吹き飛ばしながら
ああ、ウタちゃんははっきり言ってものすごく初心だ。
今だに恋愛話は真っ赤になりながら聞くし。
見ての通り、
付き合う
という単語一つ言うだけで緊張している。
「………て、私が?葉風君と?いや、そんな事実は聞いたことも見たこともありませんが。」
「そうなの?でも、レオが、ティアを傷物にされた恨みだ!とか言ってたよ?」
んん?どこでそんな誤解を受けたのかしら?
「まあともかく、その葉風君が一体どうやってあの『紅獅子』相手に持ちこたえるのか、興味深くはあるよね。」
紅獅子とはレオの二つ名、というか仮の名前だ。
本名を仕事では名乗れないため、ギルドの団員には二つ名が付けられる。
ちなみに私は『碧の艶姫』
うん…何も言うな、私だって恥ずかしいんだ。
正直、この名前が私に付いた時、このギルドをやめようと思った。
ちなみに名付けたのはお父さん。
この名前で呼ばれる度に父親への憎悪が膨らむ気がする。
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