家族

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コンコン 「はーい、どうぞ~」 「よお、俺だ。」 「あ、お父さん。何か用?」 「ああ、そうだ。ちょっと聞きたいことがあったんだ。」 「うん、ちょっと待ってね。今クーちゃんのおしめかえるから。」 「娘が何処かに嫁に行った気分だ…。」 ま、実際絶賛母親中だからね。 「はい、よしっと。で、なに?お父さん。こんな時間に来るぐらいなんだから、緊急?」 「いや、そこまでは…そうだな。ちょっと急ぎで聞いときたいことだな。」 ?なんだろう?ちょっと言いづらそうにしている。 「あ~、お前ら、さっきまで若造と一緒に飲んでいただろう?」 「葉風君のこと?うん、みんなで一緒にね。」 「そう、そいつなんだが…あー、まずレオに勝ったってのは本当のことか?」 あれ?知らないの?てっきり知ってることだと思ってたが。 「うん、本当だよ。レオが完膚なきまでにやられた。まあ、あれはレオが自滅したようなものだと思うけど。」 ここにもしレオがいたら落ち込んでいたかもしれないが、まあいないからいいよね。 しかし、それを聞いて余計に顔を曇らせるお父さん。 「……それじゃ、あいつが凄腕の発明家だということは知ってるか?」 「えっ?発明家?」 知らなかった。 ということを顔を見て理解したのか ちょっと安心して、 「そうか、知らなかったのか。悪かったな、こんな時間に。」 と言って出て行った。 知らなかった…けど、それがなんだっていうんだろう? 何か、最後の問答は大事なことだったのかしら。
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