偉そうな園長。

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帰り際に、他の先生二人にも呼び止められました。 「お願いします。うちら二人じゃまだまだ分からないし不安だし、本当に頼みます。一緒に働いて下さい」 「お願いしまーす」 「………」 この二人の敬語の使えなさにもちょっと不安が過りました。 (それはやっぱり正しくて保護者にもタメ口でした(笑)) 「あの園長の保育はどう思う? 頭をパチンと叩くのとか。ちょっと私には無理ですね」 はっきり、数時間しか見てないのにそう言ってしまいました。 ただ、家に帰って悶々と考えるのは、あの保育所の実態。 部屋の汚さ。 園児への保育環境や言葉かけの仕方のありえない様子。 加えてあの園長の傍若無人さ。 あの環境にいる子どもたちが可哀想で可哀想で。 大事な幼少期をあんなクソ環境で過ごすのか。 そしてその夜、園長かり携帯に電話がかかりました。 「派遣の先生が来るまで頼めないか。給料は主任レベルに出す」 金で釣ろうとしたのにカチン。 でも破格の値段でした← 保育士三年目の先生の2、5倍ぐらいです。 「派遣の先生が来るまでなら」 結局意思が弱い私は働くのでありました。
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