1471人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーーーーいやだ。
反射的に感じたのは、それだった。
ぞわぞわと、嫌悪感が心を浸食していく。
身をよじって逃れようとする私を、神谷さんの力強い腕が阻む。
「……やっ、」
「……ごめん。でも、僕は……羽村さんのことが、どうしても好きで……」
あとわずかで触れ合ってしまうほどの、至近距離。
神谷さんが何か言ってるその顔が、間近にあって。
戸惑いだけじゃない。
ハッキリ感じた嫌悪感と勝手な罪悪感に怯えて、私は、私の唇は震えていた。
意を決したように、再び神谷さんの唇が近付いてくる。
.
最初のコメントを投稿しよう！