1472人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうかな? 羽村さんは、飲み友達と途中まで一緒に帰ったりしないの?」
「帰り……ますけど」
「それじゃ、問題ないよね? 今僕は、羽村さんの、何?」
私の答えに満足げに微笑む神谷さん。
ずいっと顔を寄せてきたから、思わず一歩後ずさってしまった。
「……飲み友達、ですか?」
「その通り。疑問符はいらないよ。さあ、帰ろう」
有無を言わさぬ態度で私の横に並んだ神谷さんが、ニッと笑う。
……やっぱり、神谷さん、変。
いつもとは違う神谷さんのペースが、小さな胸騒ぎを連れてくる。
複雑な気持ちになりながらも、私はそれに従うしかなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!