【第29話】決定打

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  「携帯、気にしてるね?」 「えっ?」 「誰かから連絡が来るのかな?」 「ええ……まあ……」 曖昧に笑った私に、神谷さんは笑みを深くする。 違う、笑っているのに、目が違う。 さっきからずっと感じている神谷さんの変化が、何だか怖い。 何が、ってわけじゃなくて、肌で、何かヒリヒリしたものを感じ取っている。 「長瀬さん、かな?」 「っ、はい……」 「そっか」 言い当てられて驚きながらも、私の気持ちを知っている神谷さんに、そこまで隠す必要はないと思って頷いた。 .
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