1472人が本棚に入れています
本棚に追加
途端に、会話が途切れる。
この気まずい空気をどうしていいのかわからないまま黙り込む私と、何を考えているのかわからない神谷さん。
どんどん薄くなっていくような空気に耐えられなくなった私は、足を止めた。
「あの、私はここで」
「え?」
「ちょっと寄りたいところもあって。すみません、失礼します」
ちょうど、大きな交差点に差し掛かったところだった。
ここからなら、神谷さんもタクシーを拾えるだろう。
軽く会釈して、踵を返そうとしたら、神谷さんが私の手を取った。
.
最初のコメントを投稿しよう!