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「……もう何もしないよ、ごめん」
神谷さんはそう言ってくれるのに、私は混乱したままただひたすら繰り返す。
「ごめんなさい……やだ、もう……っ、ごめんなさい……!」
じわり、滲み出した視界。
誰に向けての謝罪なのか、何のための謝罪なのか、もうわからなくなっていた。
浅い呼吸を繰り返す私に、神谷さんが「はは」と笑った。
「謝らないでもらえると助かるな」
「……っ、でもっ」
「そんな風に謝られると、どんどん、辛くなる」
そう言われてしまうと、何も言えなくなってしまう。
黙り込んだ私に、神谷さんはふうっと大きく息を吐いた。
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