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目から鱗、じゃないけれど。
神谷さんの言葉に、私の中でこんがらがっていた感情が、するりとほどけていく。
簡単なこと、だった。
自分で難しくしていただけ、だ。
私が自分の気持ちに素直にならなきゃ、何も始まらない。
神谷さんがそれを、言葉だけじゃない、行動で教えてくれた。
「……ありがとうございます」
自然と口に出していた感謝の気持ち。
少しだけ首を傾げて、神谷さんは尋ねてくる。
「僕のヒントは、役に立ったかな?」
「はい。……どうなるかは、わかりませんけど……頑張って、みます」
まっすぐ神谷さんを見て、答えた。
私の心には、しっかりと新たな決意が芽生えていた。
うん、と頷いて、神谷さんは悪戯っぽく笑う。
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