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「……ど、どうしたの、長瀬……?」
私の声に、長瀬は眉を寄せた。
さっきまで私たちを包んでいた雰囲気が、少しずつ解けていく。
「……仮にも告白してんのに、『どうしたの』はねーだろ……」
「だ、だって……そんなの……ゆ、夢でも見てるみたいで……信じられないっていうか……」
「そーゆー疑い方は、感心しねーな。……って、俺のせい、か」
はあ、と息を吐き出した長瀬は、視線を外して軽く頭を掻いた。
不安になって見つめる彼の目が、私の元へと戻ってくる。
「あのな。言っとくけど俺、こんな告白したの、生まれて初めてだからな」
そう前置きをして、私の頬をそっと撫でた。
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