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責められた長瀬の、綺麗な顔が歪む。
痛みを堪えるような、表情だ。
「あーそーだよ、間違ってたよ。……本当に、悪かった」
素直に謝るものだから、何も言い返せない。
黙った私に、長瀬が追撃してくる。
「言い訳かもしれねーけど……あのときフツーに告白して、お前、俺のものになったか? ならねーだろ?」
「そ、それは……」
あのとき、告白されてたら?
……たぶん、瞬殺で、断ってた。
『は? 何言ってんの? ありえない』くらいは言ったかもしれない。
ビジュアルが良くて、仕事もできて、女にモテて、そのうえ男にも嫌われない。
完璧超人みたいで、胡散臭い男。
よく飲みに行くようになった頃から距離は急速に縮まったけれど、それでもまだ、恋には遠過ぎる。
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