【最終話】不器用な獣同士の恋と罠

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  しばらくそのまま、抱き合った。 時折、確かめるように唇を重ねて。 触れるだけのキスを繰り返しては、目で訴え合った。 好き。 文字にしたらたった二文字の、素直な気持ち。 それを口にしたら、儚く散るはずだった願いまで叶ってしまった。 傍にいて欲しい。 離さないで欲しい。 こんなに幸せで、いいんだろうか。 気持ちが触れ合うぬくもりの気持ち良さに、目眩さえ覚える。 変な心配をしそうになる私の髪を、頬を、背中を、優しく撫でる長瀬。 全てを見透かされていそうなその瞳が、伝えてるみたいだ。 .
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