【最終話】不器用な獣同士の恋と罠

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  「……そーだ」 下唇をくっつけたままで、長瀬は何かを思い出したように呟く。 「浮かれて忘れるところだった」 そう言うと、そっと私の体を少しだけ離した。 ぼうっとしている私の顔を覗き込んで、真剣な眼差しで言う。 「お前、神谷さんとは、どーなってんだよ」 「え、」 この状況で、聞く? 甘く融けていた思考が、一気に引き戻される。 思わず頬を引き攣らせる私に、長瀬は不機嫌を隠さず、ずいっと詰め寄った。 .
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