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「なっ、何すんのっ!」
「わかってるくせに」
くっ、と口の端を上げたままそう言った長瀬は迷いなくすたすたと歩く。
何も言えないままの私が運ばれた先は……ベッドの上。
私に跨がる長瀬の胸を押し返しながら、私は叫ぶ。
「ってゆーか、この状況でなんでこうなるの!?」
反抗する私の手を取った長瀬が、それをベッドに縫い付けながら溜息を吐く。
「ほんとお前、色気ねーよな」
「よ、余計なお世話よ!」
今にも私を喰らい尽くそうとしている獣が、ふうっと大きく息を吐いた。
そして、鼻先が触れそうなくらい顔を寄せて、真剣な顔をして言う。
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