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「抵抗したってムダだって。もー離れらんねーよーにしてんだから」
「何よ、それ……!」
「言葉通りだよ。心もカラダも、もう俺から離れられなくなってるだろ、って」
「っ!」
言い当てられたことより何より、私の脳裏に浮かぶのは。
オレサマ、健在?
なんていう、先行きが不安になるような言葉だった。
思わず溜息がこぼれる。
「……何様よ、まったく……」
「事実だろ」
即座に答えた長瀬に絶句。
どこまで自信があるんだ、この男。
……だけど言い返せないのが、悔しい。
だって長瀬の言う通り、だ。
心が繋がった今、前よりもっと、長瀬から離れられるはずがないこと、私が一番よくわかってる。
「んっとに、アンタって……ああもう、いいや……」
一気に脱力してしまった私に、長瀬は軽く首を傾げた。
「そーか? じゃ、納得してもらえたところで」
そっと耳元に寄せられた唇。
吐息がかかって思わず反応してしまう私に、聞こえた言葉は。
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