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「私のターンですね、ドロー
スタンバイフェイズです、何かカードの発動は行いますか?」
「……最初の相手ターン、それもスタンバイフェイズの時点で発動するカードなんてありませんよ」
予知能力者か読心術使い(つまり躑躅ヶ丘先生)でもない限り。
「では、メインフェイズ。
『ゴブリンドバーグ』を通常召喚します」
『ゴブリンドバーグ』ATK1400
「今召喚した『ゴブリンドバーグ』の効果を発動、手札から『スクラップ・ビースト』を特殊召喚し、自身を守備表示に」
『スクラップ・ビースト』ATK1600
『ゴブリンドバーグ』ATK1400→DEF 0
「この時点でなにかしますか?」
「……いえ、いいですよ」
今回は『スクラップ』か……ちょっとあてが外れたか?
「では、レベル4『ゴブリンドバーグ』にレベル4『スクラップ・ビースト』をチューニング。
捨てられし瓦落多、破壊されし機械、使われぬ無念、報われぬ怒り
混濁(マ)ざり交差(マ)ざり煩雑(マ)ざりて集合(マ)ざれ、『スクラップ・ドラゴン』」
『スクラップ・ドラゴン』ATK2800
「さらに、私はフィールド魔法をセットします。
ここまでで何かありますか?御陵くん」
「何もないですよ、先生。
強いて言うなら文句があるくらいですか」
いきなりスクドラとかマジで容赦ねぇなこの人。
「あなたを相手にするんです、これくらいは当然でしょう?」
「だから、あれはたまたまですって。
何回言ったら信じてくれるんですか?」
……まだ去年のクラス分け試験のこと根に持ってんのか。
確かに俺も悪かったけどさ……。
「だとしても、用心に越したことはないでしょう?
『スクラップ・ドラゴン』の効果を発動、自分フィールド上のカード1枚と相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊します。
対象はこちらのフィールド魔法、そちらのモンスターです」
っと、フィールド魔法選択っつーことは……選択肢は2つか?
どのみち、そのまま通すのはマズそうだし、撃っとくか。
「チェーンしてリバースカード発動、『サイクロン』
対象は『スクラップ・ドラゴン』で選択しているフィールド魔法です」
「了解しました、チェーンするカードはありません
逆順処理に入ります、構いませんね?」
「はい」
……教師だからか知らないけど、フェイズ移行とか優先権の放棄やたら丁寧だから苦手なんだよな、この人
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