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「では、乾杯っ!」
グラスを合わせる音が
あちらこちらで響く中、
目の前に差し出されたグラスに、
わたしも遠慮がちに
自分のグラスを重ねた。
隣に座る更科くんは、いつもの
意味ありげな微笑みを
至近距離からわたしに向けつつ、
ウーロン茶を一口飲んだ。
「更科くん、……ちょっと、
もうちょっとそっちにずれてよ。
狭いから…」
「何、萌。
恥ずかしいの?
俺が傍にいると」
「そういうことじゃないの。
そっち側、空いてるでしょ」
わたしがぐい、と身体で
押しやろうとすると、
更科くんは意地悪く、
逆に身体を寄せて来た。
…もう、…最悪…。
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