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わたしは、はす向かいの
一番遠くに座る先生の方に
目線を送った。
フジコ先生曰く、恋愛脳を
刺激するという黄金の席、
先生の左隣には……。
しっかり福島さんが
陣取って、先生の小皿に
せっせとエビや白菜を
取り分けてあげたりしている。
「あれ?春山くん、
ビール飲まないの?」
フジコ先生が春山先生の
手元を覗いて言った。
「後でこいつら
送って行かないと。
戻ってきたら飲みますよ」
春山先生は、右隣に座る
祐希の頭を抱き寄せ、
くしゃっと撫でた。
祐希も、まんざらでもない
顔をしている。
……すっかり手なずけられてるし……。
わたしは呆れて弟の顔を見つめた。
先生の本性を探る
ミッションとやらは
どこに行ったのよ。
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