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「それなら2人とも、今夜は
泊まって行ったらいいじゃない。
ねえ」
フジコ先生の素晴らしい提案に、
わたしがピョコっと伸び上がると、
「ダメですよ。
ちゃんと帰すってご両親に
約束してるんですから」
わたしはフジコ先生と
顔を見合わせ、肩を落とした。
――甘えん坊のはるきち、
見たかったのに……。
「萌、はい」
更科くんが、わたしの小皿に
しいたけと肉団子を取り分け、
差し出した。
「い、……いいよ、
自分で取るから…」
「いいからいいから」
更科くんはお皿を
わたしの前に置くと、
大きな目でじっと見下ろしてくる。
……なんなの、もう……。
わたしは自棄になって、
ウーロン茶を一気に飲み干した。
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