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更科くんの家は、偶然にも
フジコ先生の家の近所だそうで、
以前から近くのコンビニでよく
顔を合わせていたらしい。
今日の集まりへの参加も、
コンビニで偶然会った時に
決まったようで…。
「萌、コップ、貸してごらん」
更科くんはわたしのグラスを
ひょい、と取り上げ、
ウーロン茶のお替わりを
注ぎ始めた。
ちらりと春山先生を窺うと、
……まったくこちらを
見ようとしない。
わたしは、ため息をついた。
……今夜は、先生に
こちょこちょも、
出来そうにないし…。
しかも更科くんにがっちり
ホールドされて、この空間から
抜け出せないし…。
――もう、帰りたい。
わたしは差し出された
ウーロン茶を受け取ると、
やけ酒を煽るかのように
ぐっと飲み干した。
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