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トイレから戻ろうとすると、
更科くんが廊下の壁に
寄り掛かり、待っていた。
「俺も、トイレ」
「あ、ごめん、お待たせ…」
そそくさと
立ち去ろうとすると、
道を塞ぐように
目の前に立ちはだかる。
「ちょっと、……」
「あれから、
白井とは会ってない?」
驚いて顔を見上げると、
更科くんの真剣な表情が
目に飛び込んで来た。
咄嗟に後方に目をやり、
人影がない事を確認する。
リビングの方からは、
みんなの楽しげな
笑い声が聞こえていた。
「会ったよ」
わたしが答えると、
更科くんは眉間に
しわを寄せた。
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