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「更科くん」
わたしは、ゆっくりと言った。
「更科くんは、いったい
何をしようとしてるの?」
「何、って?」
「――合いカギ」
わたしがボソッと言うと、
更科くんが
大きく目を見開いた。
「先生を恐喝したりして、
……そこまでして手に入れた
マスタキーのコピーを使って、
学校で何をするつもりなの?」
「萌、なんで
そんな事まで……」
「更科くんが月子ちゃんを
守ろうとしてる気持ちは、
見てれば分かる。
彼女をすごく大切に
思ってることも。
でももし、彼女のために何か
悪い事をしようとしてるなら、
――お願いだから止めて。
悪い事をしたら、
周りの人も、自分自身も
傷つけることになるから」
「……」
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