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テレビ画面には、
通りがかった人が
携帯で映したのか、
少し荒い画質で、
夜空に赤々と炎を
上げながら燃える
体育館の映像が
映し出されていた。
「……これ、
姉ちゃんの学校、だよね」
祐希の呟きに、誰も
答えることが出来ずにいると、
沈黙を破るように
携帯の着信音が鳴り響いた。
「はい、春山です」
春山先生が携帯を耳に当て、
立ち上がる。
相手の指示を受けながら
フジコ先生に目線を送ると、
先生は足早に和室に入って行き、
春山先生の上着を手に戻って来た。
「分かりました。
これからすぐ向かいます」
電話を切った先生が、
わたしの方を振り返る。
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