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アパートに帰り熱いシャワーを頭から被ると眠気と気だるさは少しは抜けたが、自己嫌悪だけはどうしても取り去ることはできなかった。
どれくらいぶりだろう……
こんな風に深飲みしたのは。
楽しいお酒ならまだしもこんなに苦い酒は飲んでいるときも、飲んだ後も変に後を引く。
叫べば美月に俺の声が届いた距離だったのに俺は叫ぶことも……
というより見ているのが精一杯で格好悪いくらいそんな余裕はひとつもなかった。
美月を目の前にすると俺はあの頃の……
18のガキに戻ってしまう。
時間が解決してくれるとは思ってはいなかったが、まだあんなに動揺してしまうなんて思ってもいなかった。
でも久しぶりに見た美月は遠めだったが、あの頃より数倍綺麗になっていて、また俺の心を意とも簡単にさらっていった。
優弥の言うとおり、いつ誰かにさらっていかれても不思議じゃない。
というより未だに一人身なのが不思議なくらいだ。
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